ペットの問題と向き合う

8畳2間に犬164匹。多頭飼育崩壊は他人事ではない。

うーたん(ペットdeペット編集部)

 

島根県出雲市の民家で、8畳2間に164匹の犬がすし詰め状態で飼われていたことが明らかになった。愛護団体が保健所と連携をして全頭の一斉不妊・去勢手術に踏み切るようだ。

”島根県行政から緊急救済要請を受けた公益財団法人「どうぶつ基金」(兵庫県芦屋市)は犬の不妊手術、ワクチン、ノミダニ駆除を無料で行うことを決定いたしました。”

”現在、どうぶつ基金では、164匹の犬を救うための緊急支援物資と寄付を募集しています。”

https://www.doubutukikin.or.jp/activitynews/プレスリリース-島根県出雲市多頭飼育崩壊救済)/

”庭の地面は糞尿の泥状態、痩せた犬が排泄物を食べて生き延びていました。”

https://www.doubutukikin.or.jp/activitynews/プレスリリース-島根県出雲市多頭飼育崩壊救済)/

当然のことですが、8畳2間で犬164匹を正常に飼えるはずもありません。弱った犬が排泄物を食べて必死に生きていたのは容易に想像が出来てしまいます。

こんな状況になるまでどうして放置してしまったのかと飼い主を信じられないような目で見ることは簡単だが、私たちがこれを他人事として捉えるのは少し違うと感じる。

”人間の家族もこの部屋で164頭の犬と共に寝泊まり食事も洗濯もしていました。そしてここから通勤もしています。信じられないかもしれませんが、犬を愛する気持ちも感じられました。”

https://www.doubutukikin.or.jp/activitynews/プレスリリース-島根県出雲市多頭飼育崩壊救済)/

普通に一緒に暮らし、犬を愛する気持ちもあったという。このように、どんなに好きでも一歩間違えれば大きな問題につながり、結果的に苦しめることになるのです。飼い主さんはどうにも出来ず、つらかったに違いない。

多頭飼育崩壊がどうして起こるのか

多頭飼育崩壊はどのような形であれ起こってはいけませんが、実際そこに達するまでに時間はかかりません。あっとういう間に個人だけでは手の施しようがない数に増えてしまいます。

初めの判断さえ間違えなければ良いのですが、義務教育でそういう教育を直接受けるわけではないので判断を間違う人も当然出てくるのではないでしょうか。

人間って先が読める脳もあるけれど、現実逃避してしまう部分も持ち合わせているので、こういうことって起こらないわけがないんです。

多頭飼育崩壊になるまで

犬も猫も一度のお産で多くの赤ちゃんを産みます。環境省によると繁殖力の強い猫であれば、1年に2~4回の出産が可能で、理論上、1年で20匹、2年で80匹以上にまで増えるとのこと。

この数字を聞けば、最初の判断がどれだけ大切なのかが容易に理解できますね。

後から気づいて不妊・去勢手術をしようと考えても1匹に約3万ほどかかるので、経済的に余裕がないと厳しくなります。

フードだけで精一杯、いえ、足りなくなります。トイレもきちんと用意出来ません。1匹が病気になればあっという間に他の子たちにも感染してしまうけど、病院代やワクチン代なんて出せないから諦めるしかありません。

可愛いがっていても、これは虐待と言われます。飼い主には全くそんなつもりはないのですがね。

必要な情報は探さないと入ってこない

情報がこんなにも混在していると本当に必要な情報が入ってこなかったりしますよね。友人と話していて、「えっ、そんなことあったの?」なんて驚くことは日常茶飯事です。

そんな中で犬や猫と私たち人間の関係はうんと昔から続くもので、わざわざ育て方なんて調べない、なんて方も沢山いるでしょう。

不妊・去勢手術については「何も分からない動物にそんなことするのは可哀想だ」という考え方を持っている人も当然たくさんいます。ただ多頭飼育崩壊よりは明らかにマシだし幸せです。

しかし、そういった情報は求めた人にしか入ってこないのが現実です。

そういった点では、保護団体出身の犬猫を飼うことで、それについて考える機会を与えてくれたり、そもそも不妊・去勢手術を決まりにしている団体がほとんどなので、とても有難いことなんだと改めて感じさせられます。

すぐ拾ってしまう

野良犬や野良猫を見て可哀想だからと無計画で拾ってしまう方も要注意です。

助けるのは確かに大事だけど、その後どのように育てていくのかや、しっかりと里親探しをするのかを考えなければなりません。里親探しはかなりの労力が必要になりますし、見つからない場合は当然自分で育てることになります。

そしてこういった方の家の前に、犬や猫が置かれていることも驚くほど頻繁にあります。人間ってどこまでズルいのか。

解決策をさがそう

この生活にハッと疑問を感じ、「どうすればいいんだろう」と思っても、なかなか相談出来ないという方も多いでしょう。

相談してしまえば一緒に解決策を探してくれる方も必ずいるのですが、今までの自分の行いを全て否定されると思うと億劫になってしまうこともありますし、なかなか言い出せない気持ちになるのも分からなくもないです。

しかし現実、すぐにでも相談しなければなりません。「どうすればいいんだろう」と感じた時は自治体や、愛護団体に相談してみましょう。こういった問題が起こったとき、団体が一番欲しいのは本人からの連絡なのです。

多頭飼育崩壊の方が近くにいたら

多頭飼育崩壊の方に勝負を挑んではいけません。どうしてそうなったか親身に聞き、気持ちを理解してあげることが重要です。そこから解決の方向へ進めていきましょう。

犬猫を苦手な方が頭をなでようとすると、不安な気持ちが伝わって警戒されて逃げられたりしますよね。

これは動物に関わらず人間も同じです。近くの人なら関係性も大切なので、対応が難しそうなら直接自治体に連絡してみてはいかがでしょうか?苦しんでいる動物と飼い主を助けてあげましょう。

カテゴリ:ペットの問題と向き合う

ペットdeペット編集部 うーたん 茨城県生まれの23才。 子猫の兄妹、せりくんとすずなちゃんとたのしく暮らす。 趣味は温泉、工芸品鑑賞。地方に小さな家をいくつか持って気の向くままに暮らしたい。