猫と人の目のちがい。猫が暗闇を怖がらずに歩ける理由とは?
猫の目はとっても不思議。彼らは暗闇を臆することなくスッスと歩いていたり、夜道にキラリと光る目が2つあると思ったら猫だった!なんてこともよくありますよね。
今回は「暗闇における猫の目」や、「人との見え方の違い」についてご紹介していきます。
目次
猫が暗闇を怖がらずに歩ける理由
猫は夜道や暗いお部屋を、普段と変わらない様子で歩きますよね。私たちにそれが出来ないのはただの能力不足、ということではありません。
そもそも人も猫も、何か対象を見るときには同時に光を取り込まなければなりません。そのため私たちは光が弱まれば、対象は見えにくくなります。
しかし、猫にはタペタムがあるため、暗闇でも対象が見えるように出来ています。
タペタムって?
タペタムとは猫だけでなく、夜行性(※)と呼ばれる動物の多くが持つ、網膜の裏にある層のことをいいます。日本では輝板とも呼びます。
(※猫は夜行性ではなく、薄明薄暮性)
まず網膜とは何かというと、カメラでいうフィルムにあたる組織です。私たちも網膜に写った像を見ているのですが、暗闇で光が少ない場所では当然、対象も見えにくくなります。
しかし、網膜の裏にタペタムがある猫は僅かな光さえあれば十分対象を見ることが出来ます。タペタムには反射板のような役割があるからです。
目に取り込んだ僅かな光をタペタムによって反射し増幅させることで、網膜に映る像を結果的に明るく映すことが出来る仕組みになっているのです。
ちなみに、タペタムの語源はラテン語のtapetum lucidum。意味は「輝く絨毯」になります。
猫の目が光るのはなぜ?
夜道で遭遇した猫の目が光る理由も、タペタムが光を反射しているためになります。自転車などに付いている反射板と同じような仕組みですね。
また、猫は光の入る量を常に調整しているので、暗い場所での急なフラッシュ撮影などは猫の目に負担になるので控えましょう!
光ることに気がつくと興味本位でやってしまうお子さんもいるんですよね・・。
猫は目が良いの?悪いの?
猫は暗闇でも歩けるし獲物を正確に捕らえることが出来るため、目が良いと勘違いされがちですが、実際のところ目が良いとは言えません。
猫の視力は平均が0.1~0.3ほどと、人であれば矯正しなければ生活に困るほどの視力なのです。
ただ、猫は動体視力に長けています。
数字でいえば人の4倍ほどあるのではないかと言われており、視力自体は低いですが、狩りが上手なことには納得できますよね。
人との色の見え方のちがい
人の中でも色覚特性(かつての色弱、色盲)といい、多数派とは異なる色の見え方をしている人も多くいますが、それと同じように猫と人間では色の見え方に違いがあります。
一般的な人の場合、色を認識する錐体細胞が3種類である「3色型色覚」ですが、猫の場合は2種類の「2色型色覚」。
そのため、私たちが見ている色のすべてを認識することは難しく、特に赤やグレーは認識できていないようです。
反対に、認識が得意な色は、青や黄、緑、黒、白だと言われています。ただ、黒色は猫にとってハッキリ見えすぎて怖い色でもあるようです。慣れていない猫ちゃんに会いに行く場合、黒の洋服は避けたいですね。
また、猫の好きな色としてよく言われているのが「ピンク」。猫のためにピンク色の猫グッズを選ぶ方も多いようです。しかし赤色を認識できないため、私たちが見ているピンクとは異なるでしょう。
さいごに
今回は猫の目についてご紹介しました。
猫はもともと狩りをして生活をする動物でしたよね。狩りは、朝方や夕方の薄暗い時間に行われるため、その時間に一番効果が発揮できるような目になっていったようです。
そのため、明るい場所を得意とする人間との生活は、少し眩しすぎるくらいだということを覚えておきましょう^^
カテゴリ:みんなのペット
- ペットdeペット編集部 うーたん 茨城県出身。現在、猫2匹とルームシェアをしています。キャットケアスペシャリスト。
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