知っておきたい!「アニマルセラピー」最新事情

(キッズ・マネー・ステーション認定講師)

 

長引くコロナ禍において、ステイホームが日常となる中、犬や猫などのペットを新たな家族の一員として迎え入れる家庭が増えているというニュースを耳にします。ペットと暮らしたことがある方なら、ペットとふれあうことで人間相手では得られない心の安らぎや幸福感を覚えた経験があるのではと思います。私自身、振り返ってみると、辛い時や悲しい時に猫や犬がそばにいてくれるだけでストレスが緩和され、どれほど心が癒されたことかわかりません。動物には確かに癒しの効果があるのではと感じ、今回は「アニマルセラピー」について調べてみました。

アニマルセラピーとは?
日本では一般的に、高齢者施設、病院、学校等を専門の訓練を受けた動物が訪問し、動物のもつ温もりや優しさにふれるボランティア活動を意味することが多いようですが、アニマルセラピーとは和製英語であり、学術的にはAAI(動物介在介入)と呼ばれるものです。
AAI(Animal Assisted Interventions)動物介在介入とは?
様々な目的で、人間の医療、福祉、教育等々に動物を導入する手法。

AAIの活動は、その目的などにより、大きく3つの領域に分類されます。

①AAA(Animal Assisted Activity)動物介在活動
動物とふれあうことによる情緒的な安定、レクリエーションやQOL(Quality of Life:生活の質)の向上を主な目的としたふれあい活動。
日本でアニマルセラピーとよばれるボランティア活動の多くは、こちらのタイプです。
②AAT(Animal Assisted Therapy)動物介在療法
人間の医療現場で、専門的な治療行為として行われる動物を介在させた補助療法。 医療従事者の主導で実施されます。精神的身体的機能、社会的機能の向上など、治療を受ける人にあわせた治療目的を設定し、適切な動物とボランティア(ハンドラーとよばれます)を選択、治療後は治療効果の評価を行います。ちなみにAATの起源は、古代ローマ時代、戦場で負傷した兵士のリハビリを目的として実践されていた乗馬療法であるとの説があります。アメリカでは、刑務所の服役囚の社会復帰にも役立てられています。
③AAE(Animal Assisted Education)動物介在教育
小学校や教育関連施設等に動物と共に訪問したり、学校での飼育体験を通して、正しい動物とのふれあい方や命の大切さを子供たちに学んでもらうための活動。 生活科や総合学習などのプログラムとして取り入れる学校も徐々に増えているようです。東京都の私立小学校では、不登校だった生徒の「学校に犬がいたら、楽しいだろうな」という一言をきっかけとして、2003年から学校で犬を飼育する取り組みをスタートしています。犬とのふれあいや日々のお世話を通して、子どもたちがかけがえのない「いのち」について深く考える生きた教育となっているようです。「犬がいる小学校」なんて、とっても素敵ですね。

セラピードッグになるには?

あくまでも犬の素質によりますが、民間団体や専門学校にて、専門のトレーニングを受けて訓練カリキュラムをクリアすると、協会認定のセラピードッグになることができます。ハンドラーとよばれる、セラピードッグの引き綱を引く人間にも、一定レベルの専門知識が要求されますので、所定の講座や実習の受講が必要です。アニマルセラピー活動にご興味のある方は、各団体の主催する初心者向け講座や体験会などを受講してみるのもよいでしょう。
人間に捨てられた犬を動物愛護センターから引き取り、素質がある犬にはセラピードッグのトレーニングをしている団体もあります。

実際の活動内容は?

老人福祉施設でのセラピードッグのボランティア活動は、実際にはどのようなものなのでしょうか。
近年、認知症により老人福祉施設に入居される方が増えています。また、脳梗塞の後遺症による手足のまひがある方や、耳が遠い方、足が不自由な方など、入居者の方の状況も様々ですので、事前に施設のスタッフと参加者の情報共有が必要です。
セラピードッグとハンドラー、参加者全員の体調管理ができているか確認し、動物側にも無理のない時間設定(通常20分~40分程度)で実施されます。
活動中は、参加者の状況に応じて、施設スタッフやハンドラーが仲介しながらセラピードッグとのふれあいを楽しみます。参加者が車いすの方なら膝にセラピードッグをのせて背中をなでたり、ベッドに寝たきりの方ならセラピードッグがベッドの縁に上がって添い寝したり、歩行できる方ならセラピードッグの引き綱を引いて歩行訓練をしたりします。いずれもスタッフやハンドラーのサポートが重要ですが、活動経験を重ねることでちょうどよい加減のサポートができるようになるのではと感じました。なにより、参加者の心からの笑顔や前向きな反応が、活動に関わる全ての方々のやりがいにも繋がっているのではと感じました。

今回調べた結果、動物を介した様々な活動により、関わる人々にとっては社会的、心理的、身体的な効果が多く得られることがわかりました。
動物や人間の衛生管理や、イベント中の突発的な事故など、想定できるリスクには十分な準備や保険等で備えつつ、アニマルセラピーを体験できる場所が、今後ますます増えていってほしいものです。

参考文献
川添敏弘(2009年)アニマル・セラピー/駿河台出版社
大木トオル(2009年)動物介在療法 セラピードッグの世界ーあなたの愛犬も「名犬チロリ」になれる!ー/日本経済新聞出版社
吉田太郎(2015年)ありがとう。バディ/株式会社セブン&アイ出版

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キッズ・マネー・ステーション認定講師 ファイナンシャルプランナー/キッズ・マネー・ステーション認定講師 ファイナンシャルプランナーの夫と、子ども二人の4人家族。 金銭教育を受ける機会が全くないまま社会人となっていたことに愕然とし、必要に迫られて平成二十年にFP資格取得。「常識にとらわれず、実践から学ぶ!」をモットーに、保険分野を専門にアドバイスしています。 小学校入学を機にお小遣い制をスタートした息子と、最近お金に興味を持ち始めた保育園児の娘が、一生を通じて上手にお金とつきあうためにはどうしたらよいか、日々創意工夫&試行錯誤中。動物全般大好きです♪

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