これってどうなの?

知っておきたい!動物愛護管理法改正のポイント

(キッズ・マネー・ステーション認定講師)

 

ファイナンシャルプランナーの髙柳万里です。
劣悪な環境でのペットの飼育や繁殖状況に関する報道があるたび、目をそむけたくなるほどの惨状に憤りを感じます。年々高まる多頭飼育問題や動物虐待への批判の声を受け、令和3年6月1日から、動物取扱業の適正化をはかるための改正法が施行されました。

そもそも動物愛護管理法って?

正式名称「動物の愛護及び管理に関する法律」(通称 動物愛護管理法)は、昭和48年に制定されました。数年ごとに、議員立法による主たる法改正が行われています。法律の目的は、動物の愛護と動物の適切な管理(危害や迷惑の防止等)です。対象となる動物は、家庭動物、展示動物、産業動物(畜産動物)、実験動物等の人の飼養に係る動物とされています。
基本原則として、すべての人が「動物は命あるもの」であることを認識し、みだりに動物を虐待することのないようにするのみでなく、人間と動物が共に生きていける社会を目指し、動物の習性をよく知ったうえで適正に取り扱うよう定めています。

今回の改正のポイントは?
今回、動物取扱業に係る使用管理基準に関する規定が施行されましたが、大きなポイントとしては、動物を取り扱う施設の管理や設備・管理などについての規定が具体的に明示されたことです。
対象となるのは、犬又は猫を取り扱う第一種動物取扱業者と第二種動物取扱業者です。
第一種動物取扱業とは?
→主にペットショップやペットホテル、ペットシッターなど、営利性のあるペットの販売や保管等に関わる業種を指します。インターネットにおけるペット販売など、実店舗を持たない場合でも登録の対象となります。
第二種動物取扱業とは?
→主に動物愛護団体の動物シェルター、公園等での非営利の動物の展示など、営利性のない動物の取扱業種を指します。

規定では、以下の様にケージ等の基準が明記されています。

運動スペース分離型飼養等(ケージ飼育等)を行う際のケージ等の基準

<寝床や休息場所となるケージ>
犬:タテ(体長の2倍以上)×ヨコ(体長の1.5倍以上)×高さ(体高の2倍以上)
猫:タテ(体長の2倍以上)×ヨコ(体長の1.5倍以上)×高さ(体高の3倍以上)、1つ以上の棚を設け2段以上の構造とする。
複数飼養する場合:各個体に対する上記の広さの合計面積と最も体高が高い個体に対する上記の高さを確保。
<運動スペース>
下記の一体型飼養等と同一以上の広さを有する面積を確保し、常時運動に利用可能な状態で維持管理すること。
【環境省HP 動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の施行(令和3年6月1日)に係る関連省令等の整備について(概要)より抜粋】

また猫の場合や、繁殖期などの場合についても、必要な床面積の数値等まで、かなり具体的に記載されているため、各関係機関がチェック、現状確認しやすくなりました。
法律はあっても、すぐに現場の改善には至らなかった背景には、具体的な基準が明確化されていなかったこともひとつの要因だったため、今後はペットの環境改善への実践的なとりくみが期待されます。

その他の改正点は?

繁殖に関する基準についても改正点があります。

  • 犬の場合…生涯出産回数は6回まで、メスの交配時の年齢は6歳以下。(例外あり)
  • 猫の場合…メスの交配時の年齢は6歳以下。(例外あり)

また、繁殖させる際には必要に応じて獣医師による診察を受けさせ、医師の助言を受けることや、帝王切開を行う場合は診断書の交付を受けて5年間保存することなども規定に盛り込まれています。【基準省令第2条第6号及び第3条第6号】

なお、上記の規定については、マイクロチップの装着が義務化され、年齢確認や繁殖回数確認が実効される状況になるために必要な経過期間が考慮された結果、令和4年6月から適用される予定です。

めざすのは、人と動物の共生社会

多くの人々の声や各関係機関の働きかけにより、具体的な内容にまで落とし込まれた今回の改正ですが、この新しい基準が実際に運用されなければ、ペットたちの飼育・養育環境の改善にはつながりません。適切な環境を整備している、または整備しようと尽力している業者や関係者を支援し、改善の努力が見られない業者に関しては自治体が主導となり、継続して指導・監督していくようなしくみが求められています。

一朝一夕に改善されるほど状況は単純ではありませんが、無償の愛情や癒しをくれるペットの環境をよりよくしよう!と私たち一人ひとりが普段から心掛けて行動することが、『人と動物の共生社会』の実現につながるのではと感じています。

カテゴリ:これってどうなの?

キッズ・マネー・ステーション認定講師 ファイナンシャルプランナー/キッズ・マネー・ステーション認定講師 ファイナンシャルプランナーの夫と、子ども二人の4人家族。 金銭教育を受ける機会が全くないまま社会人となっていたことに愕然とし、必要に迫られて平成二十年にFP資格取得。「常識にとらわれず、実践から学ぶ!」をモットーに、保険分野を専門にアドバイスしています。 小学校入学を機にお小遣い制をスタートした息子と、最近お金に興味を持ち始めた保育園児の娘が、一生を通じて上手にお金とつきあうためにはどうしたらよいか、日々創意工夫&試行錯誤中。動物全般大好きです♪

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