みんなのペット

知っておきたい!ペットの『価格表示』について

(キッズ・マネー・ステーション認定講師)

 

ファイナンシャルプランナーの髙柳万里です。

我が家の子どもたちはペットショップで犬や猫を眺めるのが大好きなため、日頃から様々なペットショップに立ち寄る機会があるのですが、プライスカードを眺めていると、価格表示が複雑になっている印象を受けました。
そこで今回は、ペットショップでの価格表示について、注意すべき点をまとめました。

高騰するペット価格の背景

長引くコロナ禍により、在宅時間が以前よりも増えたことで、急速にペット人気が高まり、人々の需要が供給量を大きく上回る状態が続いています。今年に入ってからはとりわけ子犬の価格が高騰しているようです。人気の犬種であるポメラニアンの白い子犬が、約80万円で販売されていたのをインターネットのサイトで見つけた筆者ですが、思わず価格を二度見してしまいました。トイプードルやダックス等の小型犬は、マンションでも飼育可とされるケースが増えているため、特に近年人気が集中していて、50万円~60万円程度の価格帯も多く見られます。

『生体価格』とは?

先日、ペットショップ内のドッグサークルにいた若干大きめの子犬を子どもたちと眺めていると、スタッフの方が抱っこして触らせてくれました。生後3か月以上経過した茶色の柴の子犬で、生体価格は約9万円との表記でした。他の子犬はまだ生後1~2か月で30万円~50万円程度の生体価格だったため、そちらと比較するととても割安に感じました。その際、スタッフの方に参考資料として見積書をいただいたのですが、そこに記載してあった茶色の柴の合計金額は、『約17万円』となっていました。

見積書を確認したことで、『生体価格』とはあくまでも子犬本体に関する価格であり、実際に支払うべき費用はプラスアルファで約8万円が加わった価格であることがわかりました。

ただし、プライスカードや店舗のチラシには大きく『生体価格』の金額表記があり、その他の費用については小さく別途記載されていることが多いため、『生体価格』=『合計金額』と誤解する方は少なくないのではないかと思われます。

実際に支払う合計金額については、見積書を提示してもらわないと正確に把握することは難しいと感じました。必ず内訳を確認することが大切です。

スタッフの方に見積書を出してもらった場合、その内訳の金額をきちんと確認しましょう。『生体価格』に含まれる費用と含まれない費用については、口頭ではなく書面で確認するのが理解しやすく、お勧めです。

各ショップにより『安心〇〇パック』などの名称で、様々なサービスや各種オプションが付加された金額が提示されています。一般的に、ワクチン代(6,000~7,000円程度)や狂犬病予防接種代(登録料込みで約7,000円程度)、マイクロチップ埋込費用(登録料込みで数千円~1万円程度)等が必須の項目とされているようです。

その他のサービスやオプションについては、それぞれの項目の内容をひとつひとつ確認し、本当に必要不可欠な費用かどうかを確認しましょう。ショップの提携先の動物病院への紹介サービスや、しつけサポートサービス等があらかじめセットされていることがありますが、店舗によっては、生体価格よりも諸経費の方が高く設定されている場合もあります。

サービスや費用に関して不明な点や気になる点等があれば、売買契約を結ぶ前の段階で、スタッフの方に十分確認することが必要です。

お金の話は冷静に…

長期に渡るコロナ禍により何かと制約の多い日常のもと、癒しを求めて可愛らしいペットに夢中になる気持ちはよく理解できますが、ペットはモノではありません。

売買の際には、様々な諸費用がかかるものですが、『一度お金を払えば終わり』ではなく、その後もペットが生きている限り、様々な費用がかかります。最初にかかる初期費用、毎月かかる食費等の費用、病気やケガなどのイレギュラーな諸費用など、想定される各種費用を含めて試算してみることが大切です。

大切なペットを一生涯、最後までお世話をすることは飼い主の責務です。
その責務を果たすためにも、家計に無理のない範囲の出費となるかどうかを、冷静にご検討されることをおすすめします。

カテゴリ:みんなのペット

キッズ・マネー・ステーション認定講師 ファイナンシャルプランナー/キッズ・マネー・ステーション認定講師 金銭教育を受ける機会を得られないまま社会人となり、家計のやりくりに悩んだことから平成二十年FP資格取得。「常識にとらわれず実践から学ぶ!」をモットーに、子どもたちが上手にお金とつきあえる大人になれるよう、試行錯誤しつつ活動中。動物全般大好きです♪

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