まめ知識

猫は水の飲み方が美しい?!独特な舌の使い方に注目!

(ペットdeペット編集部)

 

猫の水の飲み方について深く考えたことはありますか?普段からよく見るありふれた行動ではありますが、じつは猫の水飲みはとても独特、かつ美しいのです。今回はその仕組みを詳しくご紹介します。

目次

猫はどうやって水を飲んでいる?

猫と人の水の飲み方は、一体どのように違うのでしょうか。

人の場合、コップやペットボトルを斜めに傾けて水を流し込むように飲みますよね。このとき私たちは無意識的に頬を使い、少しのあいだ口内を真空状態にして圧をかけることで、水をうまく吸い上げることが出来ています。

対して猫は人のように頬を使うことは難しいため、人とはまったく別の飲み方で水を飲みます。

猫は基本的に床や地面に置かれた水を飲みますが、見ただけでは犬同様、舌を使っていることくらいしか分かりません・・・。

私の勝手な想像

私はこの真相を知るまでは、猫がぴちゃぴちゃと水を飲む様子を見ながら

  • 舌を「おたま」のような形にして、すくって飲む
  • 舌を水に入れて湿らせながら少しずつ飲む

という2つの予想を立てていましたが、お恥ずかしいことにどちらも大外れ。猫の水飲みの仕組みは、こんな単純なことではありませんでした・・。

猫の水飲みのポイント

この猫の水の飲み方については、米マサチューセッツ工科大とプリンストン大の研究チームによって解明、2010年11月12日の米科学誌サイエンスで発表されています。

研究者の方たちって目の付け所が本当に面白いですよね。それでは、まず1つ1つポイントを整理します。

ポイント1:「舌の形」

水を飲む際、猫の舌先は顎の方向に折れ曲がります。その時の舌の様子は、アルファベット「J」の形に近いです。

下の写真の猫ちゃんの舌もしっかり「J」のような形になっていますね。

ポイント2:「スピード」

猫は水を飲むときに、平均で1秒間に約4回ほど舌を出し入れします。

速い!とも思いますが、たしかにこのくらいですよね。あの軽快なピチャピチャ音。

ポイント3:「水に触れるのは舌先だけ」

ここですでに驚いてしまう方も多いでしょう。

じつは猫は水を飲むとき、舌を水の中にボチャンと入れるわけではなく、舌先が水面に触れたらすぐに口の中に戻してしまうのです。

ポイント4:「慣性と重力」

慣性とは「物体がそのままの状態を続けようとする性質」を指し、重力とは「地球上の物体を地球に引きつけようとする力」を指します。

じつは、猫はこの2つをうまくコントロールすることで水を飲むことが出来ているのです。

「慣性」を思い出せない方へ

慣性ってなんだっけ!という方は、身近な例で思い出してみてください!

  • 停止したバスが動くと、進行方向と逆方向に身体が動く
  • 走っていたバスが急停車すると、進行していた方向に身体が動く

どちらも、そのままの状態を続けようとして身体が動いてますよね。この性質を「慣性」と言います。

それでは、この4つのポイントを踏まえて、猫の水飲みの仕組みを理解していきましょう!

猫の水の飲み方

舌先を水にくっつけたら素早く持ち上げ、

このとき舌先に付いた僅かな水が、水同士の引力(凝集力)によって新たな水を引き寄せながら、素早い舌の動きで起こる「慣性」によって口の方向へ。

また、それと同時に持ち上がっていく水は重力にも引かれる。

こうした一瞬のさまざまな出来事で、なんと「水柱」が出来るのです。

そして、ここで出来た水柱が「最大の大きさになるタイミング」で、猫は上手にパクっと水をキャッチ。

これが、猫の水飲みの仕組みです。

参考動画になります。

さいごに

犬は猫と違って、舌の裏側を「おたま」のように使います。

舌を水の中にしっかりと入れて、舌の裏側で水をすくってパクっと水を飲むのです。

このとき犬は水の中にジャブンと舌を入れてしまうため、水柱も大きくなり、水しぶきも多くなってしまいます。そのため器の周りがビシャビシャになってしまうことも少なくないですよね。

犬と猫は違う生き物だとしても、猫がどうしてこの飲み方になったのか・・・。知りたくて仕方がありません・・・。

カテゴリ:まめ知識

ペットdeペット編集部 茨城県出身。現在、猫2匹とルームシェアをしています。キャットケアスペシャリスト。

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