5日でなんと7400万!東大に寄付が殺到。開発しているのは猫の治療薬?!
猫の研究に寄付が殺到しています。開発しているのは腎臓病の治療薬。猫の腎臓病は死因トップとも言われる恐ろしい病気です。治療薬開発に尽力している研究者たちを応援すべく、全国の猫好きが動きだしています。
目次
猫の腎臓病の治療薬はまだない
じつは猫の死因の中でトップであるとも言われる腎臓病。まだ治療薬はありません。腎臓病は明確な予防法もなく、体質的になってしまう子が多い病です。
動物病院ではどういった対応をしている?
現在、愛猫が腎臓病になったら動物病院ではどのような対応がなされるのでしょうか。基本的なものは以下です。
- 病気の進行を遅らせる
- 症状を緩和させる
- 脱水症状を防ぐ
- 栄養状態の悪化を防ぐ …など
猫の腎臓病は腎臓への負担を最小限に抑え、進行を遅らせることが第一の病気。そう、一度かかれば完治することはない病気なのです。
そこで猫を飼っている方が一番気になるのは「どういった猫が腎臓病になりやすいのか」というところではないでしょうか・・・。
どういった猫が腎臓病になりやすいの?
驚いてしまうかもしれませんが、腎臓病はシニアの猫であればほとんどなっているのではないか、とも言われるくらい猫がかかりやすい病気です。
つまり、どんな猫でもなってしまう可能性があり、その確率も高いということになります。
この厄介な腎臓病の治療薬の研究が、東大の宮崎徹教授らにより行われています。
現在、プロジェクトは中断している
2016年10月12日、宮崎教授らは腎臓病を防ぐために働くタンパク質(AIM)が、他の動物では働くのに猫では働かないことを突きとめ、「Scientific Reports」で発表しました。
これにより猫の腎機能を補助することで、腎臓病に苦しむ猫を救うことが出来るのではないかと治療薬の開発を進めていたようです。しかし、それから5年弱たった今、この開発は新型コロナウイルスの経済的影響により中断してしまっているのだそう。
“(それでも数年をかけ)昨年の春先の段階で、治験薬製造のための開発をほぼ終了するところまで来ておりました。これからいよいよ次のステップにというところで、思いもよらないコロナの影響により、治験薬の製造の前で中断を余儀なくされているのが現状です。”
東京大学基金『宮崎 徹 教授による猫の腎臓病治療薬研究へのご寄付について【07/15 宮崎教授からのメッセージを追記しました】』
驚くことに研究に力を注いでいた宮崎教授らは、治験薬製造の開発がほぼ終了するところだったようです。
まさか、新型コロナウイルスの拡大がこんなところにまで悪い影響を与えているとは・・。私がこんなに悔しいのですから、研究者たちの思いは計り知れません。
多くの方の猫への思いが前代未聞の事態にまで
このことが7月11日に時事通信社さんによって配信されると、すぐさま大きな反響を呼びました。全国の猫を思う方たちが次々と「支援したい」と声を上げたのです。
そして東大の基金事務局はこうした声を聞き入れ、急遽このプロジェクトへ寄付を指定できるように動きました。
すると2日余りで約2900件・約3千万円、5日間で約6400件・計約7400万円という前代未聞の寄付が集まったのです。
多くの方々の、それぞれの思い
- 「苦しむ愛猫を救いたい」
- 「腎臓病さえ治療できればもっと一緒にいれたかもしれない」
- 「愛猫と1秒でも長く一緒にいたい」
- 「猫が大好きだから多くの猫を救いたい」
多くの方が、それぞれの思いを持って寄付しているのでしょう。今もなお寄付は増え続けているようです。
薬の完成には時間がかかる
1日も早く治療薬が完成してほしい、そういった思いで寄付をしている人も多いでしょう。
しかし、やはり大切な猫たちの身体に使う薬なので、多くの難しい工程や厳しい審査を経てやっと使えるようになります。
特にこの治療薬は一般的な薬と異なり前例がありません。とても時間のかかる難しい開発なのだそうです。
わたしたちは研究者たちの健康を祈りながら、静かに応援を続けましょう。
支援に興味がある方はこちらから。
さいごに
多くの人たちの声が届き、ここまで形になるとは驚きですね。猫たちもこんなに愛されて、嬉しいだろうなあ・・。
ネットは問題視されがちな分野ですが、情報が自由に発信・受信できることは本来嬉しいこと。今回の時事通信社さんの記事のようにどんどん良い方向に繋げていきたいですね。
カテゴリ:まめ知識
- ペットdeペット編集部 うーたん 茨城県出身。現在、猫2匹とルームシェアをしています。キャットケアスペシャリスト。
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