知っておきたい! ペットのイマドキお葬式事情
動物全般大好きな、ファイナンシャルプランナーの髙柳万里です。
いつかは必ず訪れる、大切なペットとのお別れの時…。
想像したくはないですが、いざその時が来てしまうと、考える暇もなく早急に葬儀の手配や準備などを進めなければならず、後から『もっと、ああしてあげたらよかった』と悔やむことがあるかもしれません。
その時になってから慌てないように、
最近のペットの葬儀にはどのようなものがあるのか?
また、コストはおおよそどれくらいかかるのか?
などなど、気になるあれこれを調べてみたいと思います。
ペットの葬儀って?
人間の葬儀といえば、『お通夜』『お葬式』『告別式』『火葬』等の一連のセレモニー全般をあらわしますが、ペットの場合、ご家族が立ち会う場合はお別れの時間をとり、お寺の場合はお経を頂き、火葬してお骨にしてもらうまでをペット葬ということが一般的です。
火葬等の種類については、ざっくりわけると4種類あります。
- ① 合同火葬
- →他のペットとともに、まとめて火葬されます。基本的には、そのまま合同供養塔という共同墓地に埋葬されます。合同火葬の際は、ご返骨はありません。
- ② 個別火葬
- →ご指定のペットのみ、単独で火葬されます。ご返骨されるかどうかは、プランによります。ご家族が立ち会うケースと、霊園や葬儀社のスタッフにお任せするケースがあります。
- ③ 訪問火葬(移動火葬車)
- →火葬炉を積載した車が、飼い主さんの自宅まで伺い、その場または近隣で火葬されます。ある程度ご近所に配慮が必要ですが、高齢の飼い主さんなどで移動が難しい方には利用しやすいかもしれません。ご返骨されるかどうかは、プランによります。
- ④ 土葬
- →火葬せず、自宅の庭などの私有地内に埋葬する方法です。
ペットの葬儀の流れは?
人間と同じように、ご家族が立ち会って見守るケースと、葬儀社スタッフにお任せするケースがあります。一般的な流れをまとめてみました。
- ① 立ち合いプランの流れ(個別火葬の場合)
- 指定の場所にてペットとご家族のお別れの時間(供花・読経等)
↓
火葬(待合室にて待機など)
↓
ご家族でお骨を拾う(拾骨)
↓
お骨を引き取る(即日または後日受取)
↓
ご自宅に連れて帰る(プランによりそのまま納骨される場合もあります)
- 〈料金について〉
- ハムスターやウサギなどの小動物 約10,000円~22,000円
- 猫や小型犬 約20,000円~40,000円
- 中型犬 約30,000円~45,000円
- ② お任せプランの流れ(個別火葬の場合)
- 葬儀社スタッフにペットを引き取ってもらう
↓
指定の場所にて火葬後、葬儀社スタッフが拾骨
↓
お骨をご家族に届ける(プランによりそのまま納骨される場合もあります)
- 〈料金について〉
- ハムスターやウサギなどの小動物 約8,000円~20,000円
- 猫や小型犬 約18,000円~35,000円
- 中型犬 約28,000円~40,000円
火葬後はどうする?
人間の場合、火葬後は納骨、埋葬、供養…と一連の流れがありますが、ペットの場合は以下の方法が考えられます。
- ペット霊園の納骨堂に納骨
- ペット霊園の個別墓地に納骨
- ペット霊園の合同供養塔へ埋葬
- 飼い主さんの自宅にて保管
- 人間の墓地に納骨(ペットも埋葬可能なところ)
- 樹木葬、海洋散骨など
私のお客様にはペットと暮らす方が多いのですが、ペットを亡くした方にお話しをお聞きすると、最近ではご自宅で保管されるケースが多いようです。中には、立派なペット用のお仏壇を準備されている方も少なくありませんが、ご自宅の状況にあわせて、無理のない範囲でご検討されることをおすすめします。
よくあるトラブル&注意点
- ・個別火葬してもらい、お骨は戻ってくると思っていたら、合同火葬されてお骨が戻ってこなかったというトラブル
- →火葬の方法と、お骨が戻ってくるのかどうか必ず事前に確認しておきましょう。ホームページやパンフレットに、実際の流れが明示されていない場合、特に注意が必要です。
- ・業者の料金表示が不明瞭、または追加料金を大幅に請求されるというトラブル
- →依頼する前に、ペットの種類や重さを伝え、葬儀プランと料金の金額の内訳を確認しましょう。身内の愛猫(メインクーン)が亡くなった際は、かなり大きな猫だったため、通常のネコ用サイズの骨壺では収まり切れず、犬用サイズの骨壺になってしまったと聞きました。ペットの種類やサイズにより、各費用に違いがありますので、きちんと料金確認しておくことをお勧めします。
2010年頃、動物葬祭業者が、火葬を請け負った犬猫の遺体を、火葬せずに埼玉県の山中に遺棄していた事件がニュースとなりました。依頼した飼い主さんのことを思うと、いたたまれない気持ちになります。
トラブル回避のためには、実際にペットの葬儀を経験したことのある方に、ペット霊園や葬儀社の対応を聞いてみる事が有効です。かかりつけの動物病院で、評判の良いペット葬儀社等を聞いてみるのも参考になるでしょう。
我が家の場合ですが、5年前に愛犬のパピヨンが亡くなった時には、バタバタと都内の動物霊園をネットで検索し、電話で問い合わせてみて、丁寧で感じが良かったお寺に葬儀をお願いすることにしました。担当の方の説明を聞いてから、個別火葬の立ち合いでお願いすることに決めました。
お寺でお経を頂いてから、家族でお別れする時間があり、持参したお花をたくさん敷き詰めて火葬してもらいました。お骨も家族で拾い、綺麗な骨壺に入れてもらい、悲しいながらも『人間と一緒だなあ』と感心したことを覚えています。驚いたのが、愛犬の『歯』をカプセルに詰めたキーホルダーを戴いたことです。歯や爪、毛の一部などを、共に過ごした思い出にとっておきたいとの声がきっと多いのだろうと思いました。別途費用はお支払いしていないので、こちらはサービスだったようです。ちなみに、火葬費用は小型犬で、骨壺・カバー費用も含めて約23,000円でした。
そのお寺には納骨堂もあり、個別に納骨する際は、場所により一年間に約15,000円~20,000円程度の管理費用がかかるようです。合同納骨の際は、費用は5,000円のみとの事でした。
料金表示も明確で、追加オプションを勧められることもなく、安心してお任せすることができたので満足しています。
火葬の後は、納骨堂や合同供養も検討しましたが、やはり当分の間は手元にお骨を置いておきたいという気持ちが勝り、今でもリビングの棚に、写真と一緒に収めてあります。
個人的には、ペットの葬儀やお墓については、それぞれのご家族の考え方があっていいと思っています。大事なことは、最期まで家族の一員として、責任をもってお世話をすることではないでしょうか。そして、別れを悲しむばかりではなく、素敵な思い出をたくさん残してくれたペットに、心からの感謝の気持ちを胸に抱いて、日々を過ごしていきたいものですね。
カテゴリ:ペットとお金
- キッズ・マネー・ステーション認定講師 髙柳万里(たかやなぎまり) ファイナンシャルプランナー/キッズ・マネー・ステーション認定講師 金銭教育を受ける機会を得られないまま社会人となり、家計のやりくりに悩んだことから平成二十年FP資格取得。「常識にとらわれず実践から学ぶ!」をモットーに、子どもたちが上手にお金とつきあえる大人になれるよう、試行錯誤しつつ活動中。動物全般大好きです♪