ペットとお金

ご存知ですか? ペットとの暮らしに役立つ保険♪

(キッズ・マネー・ステーション認定講師)

 

動物全般大好きな、ファイナンシャルプランナーの髙柳万里です。

ペットに関係する保険、といえば、真っ先に『ペット保険』を思い浮かべる方は多いと思います。ペット保険は、ワンちゃん、ネコちゃんが、動物病院で入院や通院・手術などの病気やケガの治療を受けた際の保障として、近年ますますニーズが高まっていますが、その他にも、ペットとの暮らしのなかで役に立つ保険があることをご存知でしょうか。

それは、『賠償責任保険』という種類の保険です。

飼い犬が他人に噛みついてケガをさせてしまったり、他人の持ち物を壊してしまったような場合に、使えるのが『賠償責任保険』です。

以前一緒に暮らしていた我が家の愛犬(パピヨン)はなかなか気の強い性格だったため、知人のお子さんに噛みつきそうになった事も一度ではなく、冷や汗をかいた記憶があります。あまり想像したくはないことですが、ペットと暮らす以上は、そのようなケースも想定して備えておくにこしたことはありません。

賠償責任保険とは?

損害保険分野において、保険の対象となる方が、偶然の事故によって他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりして『法律上の賠償責任』を負った時、相手に支払わなくてはならない賠償金や、万が一訴訟になった場合の弁護士費用などを、保険金としてお支払いする保険です。

なお、『法律上の賠償責任』については、保険の対象となる方が、被害者より損害賠償の請求を受け、客観的に『法律上の損害賠償責任』があると認定されることをいい、必ずしも裁判上の確定判決によることを必要としません。
『法律上の賠償責任』を負うケースに該当するかどうかは、実際の事故の状況によりますので、損害保険会社等の保険金コールセンターに確認しましょう。

賠償責任保険は、一般的には『個人賠償責任特約』または『日常生活賠償特約』という名称で、土台となる主契約(しゅけいやく)と呼ばれる保険に付加できる特約(とくやく)という形で契約することができます。
原則として、企業など法人契約以外では、単独で契約できるものではありません。

一般のご家庭では、火災保険・自動車保険・傷害保険などの損害保険のご契約があれば、『個人賠償責任特約』または『日常生活賠償特約』の特約が付加されているか、確認されることをお勧めします。付加されていない場合は、中途付加できるか確認しましょう。

近年では、クレジットカードの追加オプションとして、個人賠償責任保険がつけられるカードも多数ありますので、お手持ちのクレジットカードに付帯されているかどうか、カード会社にご確認ください。

特に確認しておきたいポイントは4点です。

  1. 補償の対象となる方の範囲は?
    *同居の親族などは、補償の対象となるケースが一般的です。
  2. 一回の事故につき最大いくらまで損害が補償されるか?
    *最近の高額賠償事故例を見ると、最低でも1億円以上は準備しておきたいところです。最大3億円としている会社も増えています。
  3. 示談交渉サービスがあるか?
    *自分で示談をまとめるのは難しいので、保険会社にお任せできる示談交渉サービスがあればより安心ですね。
  4. 保険金が支払われない場合の主なものは?
    *被保険者と同居する親族に対する賠償責任や、被保険者の故意による事故、勤務作業中の事故などは、保険金のお支払い対象外となります。従いまして、飼い犬が同居の家族に噛みついてケガをさせた場合には、原則として保険金のお支払い対象外となります。

なお、火災保険や自動車保険のどちらにも特約が付加されている場合など、重複している場合は注意が必要です。

補償が重複すると、補償対象となる事故による損害については、いずれの保険契約からでも補償されますが、損害額などによっては、いずれか一方の保険契約からは保険金が支払われない場合があり、保険料が無駄になる事があります。補償内容の差異や保険金額などを確認し、損害保険会社や担当の保険代理店に確認の上、ご契約されることが大切です。

ペットが他人にケガをさせるケース以外にも、日常生活には多くの賠償リスクがあります。
たとえば、

  • 自転車を運転中に、スピードを出しすぎて歩行者にぶつかりケガをさせた
  • 買い物中に、手をすべらせてお店の商品を壊してしまった
  • 自宅マンションの自室で水漏れを起こし、階下のお宅の家具を汚してしまった
  • 不注意で電車のホームに転落してしまい、安全確認の為に電車を運行不能にさせた

などなど…

こうして考えると、私たちの普段の暮らしのなかでも、様々なリスクが想定されますね。
どんなに注意深く生活している方でも、100パーセント加害者にならないとは言い切れません。使わないのが一番ですが、備えておくべき補償として、必要不可欠な保険のひとつだと個人的に思っています。

備えるべきものは備えたうえで、たいせつなペットたちとの、かけがえのない日々の暮らしを楽しみたいものですね。

カテゴリ:ペットとお金

キッズ・マネー・ステーション認定講師 ファイナンシャルプランナー/キッズ・マネー・ステーション認定講師 金銭教育を受ける機会を得られないまま社会人となり、家計のやりくりに悩んだことから平成二十年FP資格取得。「常識にとらわれず実践から学ぶ!」をモットーに、子どもたちが上手にお金とつきあえる大人になれるよう、試行錯誤しつつ活動中。動物全般大好きです♪

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