知っておきたい!ペットの防災事情
動物全般大好きな、ファイナンシャルプランナーの髙柳万里です。
東日本大震災から9年が経過しました。震災時、私は仕事先だったため、自宅に残された愛犬(パピヨン)が心配でたまりませんでした。12時間もかかってようやく帰宅すると、室内のケージの中でちょこんと座って待っていました。ケガもなく、心からほっとしたものです。震災後も、台風や集中豪雨などの自然災害による被害は年々深刻な状況となっています。いざというとき、大切な家族の一員であるペットを守る為に、知っておいて頂きたいことをまとめました。
災害が起こった場合はどうしたらよい?
ペットを連れての移動の場合、様々な準備が必要です。台風等あらかじめ被害が想定される場合は、早めに決断し移動の手配をしておきましょう。それぞれの場合の注意点をまとめました。
- ① 自宅で生活する場合
- 自宅が安全な場合、住み慣れた自宅にいる方がペットも安心して過ごせます。ただし、救援物資や情報などは避難所に集約されるので、必要に応じて取りに行きましょう。人は無理でもペットが自宅で生活できる状況の場合、避難所からお世話に通う方法もあります。なお、二次被害の危険があるときは『同行避難』がおすすめです。
- ☆『同行避難』とは?→ペットを連れた避難所までの避難行動。ペットと人が同じスペースで過ごす『同伴避難』とは異なります。
- ② 車の中で生活する場合
- 周囲に気を遣わずに過ごせますが、限られた空間なので、エコノミークラス症候群に注意しましょう。飼い主もペットも、定期的に車外で運動をすることや、水分補給を忘れずに。また、熱中症にも十分注意しましょう。
- ③ 施設に預ける場合
- 避難所に入れない時など、自治体の収容施設や動物保護団体などでペットを預かってもらう場合があります。一時的な預かりや、長期的な預かりなど様々なケースが想定されますので、実際に預ける前に条件や期間、費用については必ず確認し、誓約書なども交わしておきましょう。
- ④ 避難所で生活する場合
- 避難所では、原則として人とペットは別の場所で生活し、ペットのお世話は飼い主自ら行う事になります。普段以上に周りの人に配慮し、飼育スペースや排せつ物の処理など、避難所内で決められたルールを守りましょう。避難所の生活が長引く場合は、飼い主同士でグループをつくり、協力してペットたちのお世話をすることになります。
- 〈飼い主グループの役割〉
- 避難所のペットの登録台帳を作成し、飼い主とペットの数を把握する
- ペットの飼育スペースを共同で清掃・消毒する
- ペットによる苦情やトラブルへの対応をする
- 飼い主が直接お世話をできないペットや、飼い主不明のペットをお世話する
- 動物保護団体や避難所との相談や連携など
いまやっておくべきことは?
避難生活では、人もペットもストレスが増えます。避難所では、ペットの鳴き声や他人や他のペットへの威嚇行為などが、トラブルの原因となる事が多いようです。普段から心掛けていただきたいことをまとめました。
- ① 自宅の防災対策をしておく
- 家具は倒壊を防ぐ対策や固定処置をして、ガラスには飛散防止フイルムを貼るなどの対策をとりましょう。まずは住まいの防災対策を点検しましょう。
- ② 他人や他の動物に慣らしておく
- 時には家族以外の人や他のペットと触れ合う機会をつくり、他人やペットを過度に怖がらないように、普段から徐々に慣れさせておきましょう。ペットの性格によっては難しい場合もありますので、無理のない範囲でトライしましょう。
- ③ むやみに吠えないようにしておく
- 犬の場合、避難所などの慣れない環境では、おとなしい性格の子でもストレスにより、吠えたり威嚇したりすることが増えるようです。具合が悪い場合や、散歩に行きたい等の場合もありますので、よく体調などを観察して、対応できるところは対応しましょう。
- ④ 身体のどこでも触れるようにしておく
- 災害時の健康チェックや応急処置などの際に、ペットが身体に触られるのを怖がらないように、なるべく全身を触れることに慣れさせておきましょう。最初は首から、やさしくリラックスできるように声をかけながら、時にはペットのおやつを利用しながら慣れさせるのも良いでしょう。
- ⑤ 身元がわかるようにしておく
- ペットが迷子になっても飼い主のもとに戻れるよう、普段から迷子札やマイクロチップを使用して、身元の証明ができるようにしておきましょう。災害時はペットが興奮して激しく動くために、首輪が外れてしまうケースも多いので注意しましょう。
- ☆マイクロチップとは?→15桁の個体識別番号が記録されたチップ。獣医師により装着が可能です。専用リーダーで読み取り、データベースに照会すると、飼い主情報を確認できます。飼い主情報の登録は、飼い主自身が行う必要がありますので常に最新情報を登録しておきましょう。
- ⑥ ケージやペットキャリーに慣らしておく
- 避難所では、原則としてペットは決められた飼育スペースで、ケージ内で過ごすことになります。動物病院に連れて行く時だけケージやペットキャリーを使用していると、『ケージ・ペットキャリー』=『動物病院』というネガティブなイメージが定着してしまいます。日頃から、扉を開けた状態で部屋に置き、自ら入っていかない場合はおやつやおもちゃなどで誘導して、少しずつケージ内に滞在する時間をつくってみることが大切です。慣れさせておくことで、避難時に速やかに移動する準備ができます。
- 〈ケージ・ペットキャリーについて〉
- 避難所に、ケージやペットキャリーを持参せずにペットをつれてきてしまうと、飼育スペースから脱走するなど、周りの方とのトラブルになってしまうことがあります。地震などの突発的な災害以外は、ケージやペットキャリーの持参は同行避難の原則と心得て、飼い主として責任をもって事前準備しておきましょう。ケージやペットキャリーについては、ペットショップやホームセンター、インターネットで購入できますが、実際にペットを入れて持ち運べるかどうか、重量やサイズ、素材をよく確認してからの購入がおすすめです。
当然ながら、ペットの防災用品も準備しておきましょう。最低限必要なのは、ペットフードや水、食器、トイレ用品、首輪、リード、常備薬、ペットの写真(ペットと飼い主が一緒に写った写真がベスト)等です。人間用と同じく、ペット用の防災グッズがセットになった非常持ち出し袋も市販されていますので、内容を確認してみてはいかがでしょうか。
何よりも、飼い主である「人」が無事でなければ、大切なペットを守る事はできません。災害は、いつどこで起こるかわかりません。まずはご自身の身の安全を確保し、ペットと一緒に落ち着いて同行避難ができるように、普段から準備しておきましょう。
カテゴリ:これってどうなの?
- キッズ・マネー・ステーション認定講師 髙柳万里(たかやなぎまり) ファイナンシャルプランナー/キッズ・マネー・ステーション認定講師 金銭教育を受ける機会を得られないまま社会人となり、家計のやりくりに悩んだことから平成二十年FP資格取得。「常識にとらわれず実践から学ぶ!」をモットーに、子どもたちが上手にお金とつきあえる大人になれるよう、試行錯誤しつつ活動中。動物全般大好きです♪
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