暮らしと健康

知っておきたい!猫の不妊去勢手術助成制度

(キッズ・マネー・ステーション認定講師)

 

ファイナンシャルプランナーの髙柳万里です。
『犬猫の殺処分ゼロ』をめざすとりくみが、日本国内でも民間団体や一部の自治体等が主体となり推進されています。人間の身勝手な都合で殺処分されている、飼い主のいない猫がこれ以上増えないようにするためには『不妊去勢手術』が不可欠だとされていますが、不妊去勢手術には助成制度があることをご存知でしょうか。

不妊去勢手術とは?

不妊(避妊)手術⇒メスの子宮や卵巣等を摘出する手術です。通常、全身麻酔をかける開腹手術となります。手術後は、女性ホルモンを分泌する卵巣がなくなるために発情もなくなり、妊娠や女性ホルモンに関連して発生する病気のリスクを下げられるといわれています。
去勢手術⇒オスの精巣を摘出する手術です。通常、全身麻酔をかけて、精巣付近を切開します。手術後は、男性ホルモンに関連して発生する病気のリスクを下げられるといわれています。

・飼い主のいない猫の場合、動物病院での不妊去勢手術の際に、片耳の先端をV字型に切除(耳カット)することで、手術が済んだ猫であることを確認できます。一般的にオス猫が右耳、メス猫が左耳をカットされていることが多いようです。

不妊去勢手術の一般的な費用は?

不妊や去勢手術の費用については各動物病院により異なりますが、おおよその目安は下記の通りです。

  • 不妊手術(メス)目安:20,000円~40,000円程度
  • 去勢手術(オス)目安:10,000円~20,000円程度

なお、別途血液検査やX線検査等の手術前検査費用、入費や投薬代等がかかる場合があります。

どんな助成があるの?

猫の不妊女性手術費助成制度
足立区板橋区
①申請窓口保健所生活衛生課健康生きがい部生活衛生課
②対象区内の飼い猫と飼い主のいない猫区内の飼い猫
③受付数ひと月につきお1人3頭まで1年度につき1世帯当たり30匹まで
④助成金額不妊手術(メス)4,000円/去勢手術(オス)2,000円
⑤注意事項手術前に申請する必要あり手術完了後の申請となる

(足立区HP/板橋区HPより2021年8月筆者作成)

足立区と板橋区を調べたところ、助成金額はいずれも同じですが、対象となる猫や頭数は異なります。また、申請のタイミングも手術前後で異なりますので注意が必要です。
その他の地域も調べたところ、助成金額については幅があり、地域差がみられました。

ちなみに筆者が住む江戸川区では「飼い主のいない猫対策支援事業」として、地域の猫を世話するボランティア団体が、飼い主のいない猫の不妊去勢手術の費用を助成する事業があります。ボランティアは所定の要件を満たす必要がありますが、助成金額の上限は不妊手術(メス)25,000円(妊娠中35,000円)・去勢手術(オス)15,000円までと比較的高めに設定されています。

また、公益財団法人 日本動物愛護協会でも、飼い主のいない猫の不妊去勢手術助成事業を行っています。
不妊手術(メス)は10,000円・去勢手術(オス)は5,000円を上限として手術後の申請により助成されます。
各都道府県の獣医師会でも、助成制度を活用できるケースがあります。
ただし、どちらの制度でも申請すれば必ず助成されるというものではなく、原則として、年度ごとの予算金額に到達次第終了となりますのでご注意ください。

『犬猫の殺処分ゼロ』を実現するために

今回、地域ごとに様々な助成制度があることや、申請には色々な条件があることなどがわかりました。
一部の知る人ぞ知る制度ではなく、今後はより広く、多くの人々に周知されることで、飼い主のいない猫に不妊去勢手術を行う取り組みが全国的に広がり、結果として『犬猫の殺処分ゼロ』に近づくのではないかと考えられます。
ご興味のある方は、お住まいの地域ではどのような助成制度があるのか、管轄の役所のホームページや獣医師会窓口などで調べてみてはいかがでしょうか。

※上記は2021年8月末日現在の情報です。制度内容は今後変更・改正される場合がありますのでご了承下さい。

カテゴリ:暮らしと健康

キッズ・マネー・ステーション認定講師 ファイナンシャルプランナー/キッズ・マネー・ステーション認定講師 金銭教育を受ける機会を得られないまま社会人となり、家計のやりくりに悩んだことから平成二十年FP資格取得。「常識にとらわれず実践から学ぶ!」をモットーに、子どもたちが上手にお金とつきあえる大人になれるよう、試行錯誤しつつ活動中。動物全般大好きです♪

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