ペットとお金

知っておきたい!老犬・老猫ホーム最新事情

(キッズ・マネー・ステーション認定講師)

 

ファイナンシャルプランナーの髙柳万里です。
ペットフードの改良や高度化する動物診療により、長生きする犬や猫が増えています。
もし、飼い主である自分が要介護状態となり、大切な家族の一員であるペットのお世話をできなくなる日がきたら…と、ふと不安を感じたことのある方は少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は『老犬・老猫ホーム』について調べてみました。

飼い主には責任がある

平成元年6月に改正された、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)第三章第七条には、『動物の所有者は、その所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で、できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養すること(以下「終生飼養」という)に努めなければならない。』とあります。

ここでのポイントは、飼い主の責務として、ペットがその命を終えるまでに適切に飼養することが明記されたことです。飼い主には、ペットをその命が尽きる最後まで、きちんと世話をするという責任があるのです。そのため、飼い主自身の健康不良や高齢化は想定内のリスクとしてとらえ、不測の事態にもペットが安心・安全に暮らしていける環境を整えてあげられるように準備しておくことが大切です。

「老犬・老猫ホーム」とは?

そこで近年注目が高まっているのが「老犬・老猫ホーム」の存在です。
その名の通り、犬猫版老人ホームともいえる施設ですが、飼い主が旅行中や入院中などの際に一時的に預かってくれる「ペットホテル」とは異なり、原則として、飼い主や犬猫自身の健康状態の悪化や介護、高齢化などのやむをえない事情がある場合に、犬や猫を長期間または一生涯お世話をする施設となります。
なお、ペットホテルや、ペット用デイサービスとしての機能を兼ね備えている施設もあります。

ペットホテルについては、以前愛犬と共に暮らしていた当時は利用した経験があるのでイメージできますが、「老犬ホーム」については、私自身は最近まで耳にしたことがありませんでした。しかし考えてみれば、人間も犬も猫も、高齢化による病気やケガ、介護のリスクは避けられるものではありません。

ホームを選ぶポイント3つ

「老人ホーム」と一口にいっても多種多様な施設があり、それぞれ違った条件や特色、環境があるように、「老犬・老猫ホーム」といっても千差万別です。
一般的にはドッグランが備えられている施設が多いこともあり、広い土地が確保できる郊外に設置されることが多いようですが、最近では街中にも新たに開設されています。
誰しも、どんなペットも高齢化や介護のリスクがあるため、潜在的な多くのニーズに応える形で今後はどんどん多様なホームが増えるのではないかと考えられます。

そこで、老犬・老猫ホームを選ぶ際の主なポイントを3つにまとめました。

① 入所条件について
一般的には、「飼い主の高齢化、介護状態、または死亡などの理由で、犬や猫を飼育できなくなった場合」「入所前に所定の混合ワクチンを受け、動物病院の証明書を提出すること」などの各種条件があります。必ず事前に確認しておきましょう。
② 契約条項について
「規定の料金内で、専属のトリマーによる定期的なシャンプー・カットを実施」「預かり後に発症した病気やケガによる医療費は別途実費負担する」などの各種条件があります。契約書類によく目を通し、詳細を確認しておきましょう。
③ 料金について
小型犬(トイ・プードルやミニチュアダックスなど)の場合、年額で約30万円~38万円程度の価格帯が多いようです。一年単位で支払う方法や、一生涯世話をしてもらう事を前提に一括で支払う方法などがあります。犬種や要介護状態、サービスのオプションプラン等により料金が変わりますので、提示された料金にはどのサービスが含まれて、別途費用がかかるのはどんな時なのか必ず確認しておきましょう。

各施設により、様々な条件や特徴がありますので、パンフレットだけではなく、担当の方に詳しい説明を聞いたり、直接施設を見学に行くなどして、最終的な判断の材料とされることをお勧めします。可能であれば、施設を実際に利用している利用者の方からお話が聞けると参考になることでしょう。

元気なうちが考え時!

飼い主自身が病気で入院したり、要介護状態になってから、慌てて愛犬や愛猫の預け先を考え、調べ、自分で契約手続きをすることは実際には難しいことでしょう。
いざというときは、ホームに預けるということも選択肢のひとつとして知っておくことは、飼い主としての責任を果たすために必要なリテラシーだと思います。
考えたくないことも考え、調べ、準備しておくことで、ペットとのかけがえのない暮らしをより満喫することができるのではないでしょうか。

何より、大切なペットと長く楽しく過ごせるように、飼い主である人とペットがともに健康であることを普段から意識して、日々を送りたいものですね。

カテゴリ:ペットとお金

キッズ・マネー・ステーション認定講師 ファイナンシャルプランナー/キッズ・マネー・ステーション認定講師 金銭教育を受ける機会を得られないまま社会人となり、家計のやりくりに悩んだことから平成二十年FP資格取得。「常識にとらわれず実践から学ぶ!」をモットーに、子どもたちが上手にお金とつきあえる大人になれるよう、試行錯誤しつつ活動中。動物全般大好きです♪

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