ペットとお金

知っておきたい!犬と暮らすためのざっくりコスト

(キッズ・マネー・ステーション認定講師)

 

ファイナンシャルプランナーの髙柳万里です。
犬と暮らすために必要な出費は、ドッグフードやトイレシートなどの消耗品だけではありません。想定される出費についてまとめましたので、これから犬との暮らしを考えている方の参考になりましたら幸いです。

初期費用

犬を初めて我が家へ迎え入れるときには、ペットショップやブリーダーからの購入費用の他、事前に必要となる費用があります。

  • 首輪やリード
  • 犬用ケージまたはサークル
  • クレート(ドッグキャリー)
  • 犬用の食器など

クレートについては、災害時のペットの移動手段も兼ねている為、ある程度強度があり、持ち運びに適したタイプ(中型犬用で約8,000円~20,000円程度)がお勧めです。飛行機移動がある場合は、航空輸送基準をクリアしたクレートを最初に購入しておくことで、その都度空港で航空会社のクレートをレンタルする手間と費用を省くことができます。また、ケージについてはサイズや素材にもよりますが、約10,000円~30,000円程度で探すことができます。
実際は犬の大きさや犬種により異なりますが、おおよその初期費用としては、約50,000~60,000円程度と想定しておくとよいでしょう。

日常的にかかるコスト

言うまでもなく日々必要な犬の食事や、消臭ビニール袋などの消耗品の費用です。

  • ドッグフード
  • 犬用おやつ
  • 消臭ビニール袋(排せつ物の処理用)
  • トイレシート(屋内で排せつがある場合)
  • 水道高熱費

標準的なペットフードや消耗品を使用した場合、中型犬なら平均して月に3,000円~4,000円程度みておくとよいでしょう。年間に換算すると、約40,000~50,000円程度となります。また、猛暑の時期などは飼い主の留守中も冷房をつけておく必要がある為、光熱費等についても若干プラスとなります。

◆定期的にかかるコスト

  • 各種ワクチン接種代
  • フィラリア症予防薬
  • ノミ、マダニ駆除薬代
  • 定期健康診断代

厚生労働省が定める狂犬病予防法により、生後3カ月以降のすべての犬に対し、年1回の狂犬病ワクチン接種が義務付けられています。動物病院によって異なりますが、狂犬病ワクチン費用は通常3,000~4,000円程度です。その他推奨される7種混合ワクチン等については5,000~10,000円程度みておくとよいでしょう。
年間では、健康診断も含め予防医療費として、中型犬で約35,000円程度の出費が想定されます。

  • トリミング料金
  • ペットホテルの宿泊料金
  • ペットシッター代

シャンプー・カットや爪切り、耳掃除などのトリミング代は、中型犬では平均して5,000~6,000円のところが多いようです。トイプードルやヨークシャテリアなどの長毛種は、定期的なお手入れが必要ですので、毎月通うと想定すると年間約60,000円の出費となります。

ペットホテルは中型犬では一泊二日で4,000円程度のところが一般的です。
なお、通常ペットホテルを利用する際は、過去1年以内の『予防接種の証明書』の提出が必要となりますのでご注意ください。

いざというときのコスト

  • 不慮の事故や病気による動物病院の医療費
  • 動物病院への交通費
  • 不妊去勢手術費用
  • ペット用オムツや衛生用品代

健康診断などの予防医療費と異なり、急きょ出費が必要となるのが病気やケガの医療費です。いくらかかるかは、各症状や治療法により異なりますので予想できませんが、医療費への備えについては民間の「ペット保険」のご検討をお勧めします。犬種や年齢、動物病院での支払割合等により保険料が決定されます。

ちなみに健康体のペットへ施す不妊去勢手術については、ペット保険の補償対象外となっているケースがほとんどです。不妊去勢手術費用は、通常中型犬で30,000円~50,000円程度かかりますが、犬の健康状態や処置の種類によりオプション料金が発生する場合があります。犬の去勢手術や避妊手術に対して、助成金や補助金が出る自治体もありますので、かかりつけの動物病院や、お住まいの地域の獣医師会などに確認してみましょう。

ペット用オムツについては、排せつがコントロールできなくなる高齢犬には必要となるものです。我が家のパピヨンは、1枚当たり約100円のオムツを毎日2枚程使用していたため、オムツ代だけで月に6,000円程かかっていました。高齢犬には、介護に伴う諸費用も別途必要となります。

人もペットも健康いちばん!

意外と出費があるものだなあ、と感じた方もいらっしゃると思いますが、何よりペットとの心豊かな暮らしは、お金にはかえがたいものがあります。

飼い主である人もペットも健康を維持することが、結局は一番余計なコストがかかりません。ご自身やペットの体調を日頃から管理・観察する習慣をつけるとともに、年齢に応じた適度な運動や休養を心掛け、想定される出費には備えつつ、大切なペットとの健やか
でかけがえのない日々をお過ごしください。

カテゴリ:ペットとお金

キッズ・マネー・ステーション認定講師 ファイナンシャルプランナー/キッズ・マネー・ステーション認定講師 金銭教育を受ける機会を得られないまま社会人となり、家計のやりくりに悩んだことから平成二十年FP資格取得。「常識にとらわれず実践から学ぶ!」をモットーに、子どもたちが上手にお金とつきあえる大人になれるよう、試行錯誤しつつ活動中。動物全般大好きです♪

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